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九寨溝・黄龍ロケ記

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 2004年、夏。TBSの『これが世界の超絶景』という番組で、中国の九寨溝へ行くことになりました。 まずは、ディレクターと2人でロケハンへ。九寨溝は四川省の省都、成都から飛行機で40分くらい。世界遺産に登録されている有名な所で、一度は行ってみたいと夢見ていた場所。降り立った飛行場ですでに海抜3,400mくらいというから、富士山の頂上付近だなあとぼんやり考えていたら、やはり、タラップを伝って外に出た瞬間、頭がクラクラ。酸素が足りない。薄い。 このあたりは海抜が3000m~4000mを超えるのでもちろん事前に高山病については調べてありましたし、自分の健康状況の良し悪しだけで高山病にかかるかからないは決まらない、健康や体力に自信がある人でも高山病になってしまうこともあることは知っていました。 「けっこう空気薄いですねえ。私、頭がクラクラしてます。」とディレクターにいうと「おれもきてんでぇ。薄いねぇ。」と私から見ると巨漢に見えるディレクターも同じ症状。

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 成都から車などでくれば6時間くらいかかるけれど、徐々に高度を上げるのでその方が体にはよく、飛行機で一気に海抜500mくらいから3000m級へ上がってしまうと、突然、空気が薄くなるから体がまだ慣れず、強いタバコを初めて吸ったような症状が出たようです。 
 迎えの車に乗り込み、まず、宿泊先に向かいました。 中国で田舎の観光地を個人旅行する際は、運転手以外にも現地のガイドさんが頼まなくても当然のように付いてきます。ロケハン時にいろいろ情報を集めるには現地のガイドの助けは必要で、頼まなくても来るのはわかっていましたが旅行手配の時にガイド付を念押ししておきました。さて今回、九寨溝のガイドさん、若い女の子でけっこうカワイイ。九寨溝に着いたのが夕方だったので、その日は町の様子を見るだけにして、翌日から九寨溝の中へロケハンに行く予定でした。 

 空港から町までは車で50分くらい。緑多い丘陵地の間をうねうねと続くカーブに身をまかせて、窓の外の景色に見とれている頃には頭のクラクラもなくなってしまっていました。
 町に入ると、そこはまさに観光地、といった感じでいささかがっかり。中国は空前の旅行ブーム。かつて外国人を多く見かけた観光地も、中国人の国内旅行の人数が圧倒的に増える中、目立たない存在になりました。 国内旅行の需要に応えようと、観光地は競ってホテルや道路、レストランなどの整備を始め、町並みは人工的な美しさを見せるようになり、我々の求める自然なままの風情のようなものはなくなってしまうのです。 予約を入れていたホテルの部屋に入ると、ベッドの近くには1本50元と値札のついた酸素ボンベがおいてあります。 その時は頭のフラフラも完全になくなっていたので、まさかそれを使う羽目になるとは考えませんでした。 
 
 その晩は、ガイドさんが案内してくれたレストランで食事。 団体旅行客ではないので、こちらの希望する料理を告げると、できるだけそれに沿う店を教えてくれたり、地元の評判だという店を紹介されたり(多くの場合、ガイドさんは店からリベートをもらうので、味が評判だというのは出まかせが多く、まあ、料理代をぼられなければ良しとなる。)、まちまちなのですが、今回はロケのことを念頭に地元の料理が食べられる店を紹介してもらいました。

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