四川省大地震前の風景― 2回目の九寨溝へ No.2
九寨溝は、その美しく不思議な水景色が有名で、中国屈指の人気観光地のひとつになっています。
ここ数年、人気は白熱し、すでに毎年国内観光客が入場制限いっぱいまで押しかけてきて、ロケをするのはより難しくなってきていることは確かでした。
湖面だけ撮影しているとを静寂が周りを包んでいるような、幻想的な絵になりますが、実際はギャアギャアうるさい観光客があちこちでスナップ写真を取りまくり、我々ロケハン隊は、時には行く事も引き返すこともできず桟橋上で立ち往生なんてことも稀にありました。こんな状況で出演者が来るロケ本番時にどうやって周囲の観光客を避けるべきか、それが一番の悩みでした。
2回目の九寨溝ロケは12月。 九寨溝自体は、11月半ばから観光客がぐっと少なくなります。黄龍というもう一つの絶景が閉山して入れなくなることと、ホテルなども冬季休館する所があるからだろうと思いますが、今回のロケで、美しく静かな九寨溝を撮るには12月が最適だと思いました。
冬の九寨溝、山頂付近は雪を被ってとてもきれいです。
残念なのは水量で、夏場は豊かな水量を誇る滝が少し雄大さに欠けてしまって小さくまとまっていることでした。
それ以外は、観光客が少なく歩きやすいことと、幽玄の世界を独り占めした気分になれること、水と森が一体となった原始的な美しさを堪能できることなど、たくさんうれしい思いをしました。
「地球街道」の道路撮影時に撮った写真です。
九寨溝に向かう道路端で降りた時に撮りました。
一本の木に陽の光がスポットライトのように降りかかり、それが舞台のセットのようにも思えて、思わずパシャ! 光線の加減でなんでもない一本の木も生きてきます。
心が洗われる気持ちになる冬の九寨溝。
水にも山にも木々にもアミニズムというか、頭をたれてお詫びしたくなる、祈りたくなるそんな場所です。
厳格な自然に己の矮小さや心の歪みを見透かされているようでした。
大地震での被害は比較的少なかったようですが、陸路が再開しておらず、物資輸送の関係もあって再開は8月初旬予定になっています。